加齢黄斑変性
加齢黄斑変性

加齢黄斑変性は主に50歳以上の方がかかる網脈絡膜の病気です。
平均年齢が72歳程度で、50歳代でかかる方はかなり少ないです。40歳代の加齢黄斑変性は極めてまれです。50歳前半より若く加齢黄斑変性の診断を受けた場合、似ているが別の病気の可能性をまず考えるべきで、黄斑疾患の専門的な施設の受診をお勧めします。
加齢黄斑変性は先進国における法的失明の第1位の病気で、米国では糖尿病網膜症による失明と緑内障による失明をあわせたものより、さらに多い方が視機能を失っている病気です。日本では1,000人に1人程度とされていました。
加齢黄斑変性は、大きく分けて二つの最終型があります。一つが滲出型加齢黄斑変性、もう一つが萎縮型加齢黄斑変性です。最近は一つの目に両方の成分が混在していることが増えてきている印象があります。いずれも、多くの場合は数年間かけて読字が困難な視力に至ります。滲出型加齢黄斑変性に対しては抗VEGF薬、光線力学療法、光凝固術などの治療方法が開発されてきました。萎縮型加齢黄斑変性については、2025年9月19日、厚生労働省が補体C5阻害薬「アイザベイ」(アバシンカプタドペゴル)に条件付き承認を付与しました。国内初の萎縮型加齢黄斑変性治療薬となります(適応は「萎縮型AMDにおける地図状萎縮の進行抑制」)(2023年米国FDA承認、治療実績多数)。対象となる可能性がある方は、ご相談ください。日本では15年ほど前には萎縮型加齢黄斑変性はきわめて稀でしたが、最近急激に増加しています。
黄斑部は網膜の中心にあって、ものを注視する際に中心になる重要な場所です。加齢黄斑変性はこの黄斑部に生じる病気です。病気の原因は十分に解明されてはいませんが加齢が大きな要因になっており、年齢が上がるとともに増加する病気です。網膜下に病的なもろい新生血管ができて瘤のように盛り上がったり、新生血管から滲み出た液が網膜内や網膜下にたまったり出血して黄斑にダメージを与えます。
現在の医学では、加齢黄斑変性を完全に治す方法はまだ確立されていません。しかし、「今の見え方」をこれ以上悪化させないよう、また運がよければもう少し見えやすくなるための、病気の進行を抑える治療は大きな進歩を遂げています。
とくに、病状が活動的なとき(出血、黄斑のむくみ[浮腫]、網膜の下に液がたまっているときなど)には、その原因となる新生血管の増殖を促す物質(主にVEGF:血管内皮増殖因子)を抑える薬を目の中(硝子体内)に注射して治療します。
硝子体注射は点眼麻酔で行い、痛みは最小限です。日帰りで受けられる治療ですので、入院の必要もありません。
喫煙は加齢黄斑変性のリスクを高め、進行を早めることがわかっています。この病気と診断された方には、目の健康を守るためにも禁煙を強くおすすめしています。
ルテインを含むサプリメントの摂取は、加齢黄斑変性の発症予防や、進行の抑制に効果があることが研究からも示されています。ご希望の方には、摂取方法や製品についてもご相談に応じています。
このように、現在の見え方をできるだけ長く守ることは可能です。治療と生活習慣の見直しを組み合わせることで、日々の生活の質を保つサポートをしてまいります。気になる症状や不安がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
初診・検査
まずは視力検査、眼底検査、OCT(網膜の断層撮影)などを行い、病状のタイプ(滲出型・萎縮型)や進行度を詳しく評価します。
治療方針の説明
検査結果をもとに、現在の病状や今後の見通しを丁寧に説明します。その上で、最も効果が期待できる治療方法をご提案します。
抗VEGF薬による治療(必要な場合)
滲出型の場合、診断当日〜数日以内に治療を開始します。治療は目の中(硝子体)に薬を注射する方法で、白内障手術レベルの消毒を徹底して安全に行います。
治療後の経過観察
注射後は、ゆっくりお帰りいただけます。その後はOCTを中心とした検査で病状を評価し、再発の有無を確認します。
継続治療・維持治療
病状が安定した後も、再発予防のため定期的な治療をおすすめすることがあります。
ものがゆがんで見える、中心が暗く見える、色が薄く感じるなどの症状がある場合は受診をおすすめします。特に片目ずつ確認すると気づきやすくなります。
進行を完全に止めることは難しい場合がありますが、抗VEGF薬の登場により、視力の維持・改善が期待できる治療法が確立しています。早期治療がとても重要です。
麻酔の点眼を行うため、痛みはほとんどありません。
当院では白内障手術と同等レベルの滅菌・消毒を徹底し、安全に実施しています。
病状により大きく異なります。
一般的には3〜6ヶ月に1回の維持投与を行うことが多いですが、5週間ごとの投与が必要な方や、注射を行わず経過観察のみで安定している方など、患者さんごとに最適な間隔を設定しています。
多くの場合は継続的な治療や定期的な観察が必要です。
進行する前に治療することが重要なため、再発予防のための維持治療を行うことがあります。
禁煙は最も重要です。また、紫外線対策や、片目ずつのセルフチェック(アムスラーチャート)が早期発見に役立ちます。
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